好転反応とは?その症状と対処法
セッションの後に、いつもとは違った症状がでることがあります。眠気や怠さを感じる方が多いですが、人によってその症状はさまざまです。
好転反応の症状があると、やった感があるかもしれません。ですが、現れた症状はすべて好転反応というわけではありません。
こちらの記事で以下のことがわかります。
✔︎ 好転反応とはどのようなものか?
✔︎ 好転反応とそうでないもの
✔︎ 好転反応の対処法
施術後に現れる症状
好転反応は、一般的には施術後に身体に現れる一時的に悪化したように見られる症状のことを指しています。
身体の怠さ、眠気などの症状を指しますが、その症状は人によってさまざまです。
個人セッションでベースにしている、インテグレイテッドヒーリングを開発したマチルダによると、インテグレイテッドヒーリングは好転反応が起こらないとのことです。
ですが、それでも、セッション後に眠気や怠さといった症状があらわれることがあります。
好転反応とはどのようなものか?
身体的症状
身体は安定していたい
身体は不安定な状態を好まず、常に安定しようとします。不安定な状態はエネルギーを消耗し続けるからです。
例えば、心と身体が疲れているとします。いつもは元気で、たまに疲れたのであれば、心も身体も元気を取り戻そうとします。ですが、いつも疲れているとしたら、疲れた状態が当たり前になって、それを維持しようとします。疲れた状態が安定した状態だと認識しているんですね。なので、無意識に疲れる考え方や行動をしてしまいます。
すると、元気を取り戻そうとしても、疲れた状態に戻ろうとします。
つまり、施術などの元気を取り戻す行為を、安定した状態を不安定にするものとして認識すると考えられます。
好転反応は、安定していた身体の状態を変化させたために起こる身体の抵抗によるものともいえます。この抵抗は元の状態に戻ろうとする働きと考えられます。
好転反応と刺激過多
施術後の症状
施術後に眠気や怠さ、もしくは状態の悪化などの何らかの症状を経験したことがある方は多いと思います。マッサージの後のコリ返しなんかは代表的な例です。
ですが、施術後のすべての症状が好転反応だとは限りません。
好転反応と刺激過多
施術後に症状が一時的に悪化したように見えた場合、好転反応と刺激過多の可能性が考えられます。
好転反応は、良くなるために一時的に症状が悪化したように見えるものです。
刺激過多は、身体への刺激が多すぎて症状が悪化したものです。
どちらも症状は非常に似ていますが、全くの別物です。
好転反応と刺激過多の生理的症状
鍼灸師の中谷先生によると、免疫治療をされている医師の調査で、治療後に免疫細胞である白血球数が一時的に変化をして、何か危機的なことが起こったかもしれないと、身体が判断している様子が血液検査によって確かめられているそうです。つまり、治療前後の血液検査の結果から、一時的に緊急事態の様な血液変化を示す場合があるということです。これにより、症状が一時的に悪化したように見えるということです。
好転反応の場合は、症状の悪化後、急速に回復に向かいます。
一方、刺激過多の場合も、時間の経過と共に回復してきますが、免疫機構は疲労の程度により悪化します。
中谷先生は、これを温泉の湯治に例えています。好転反応は温泉の効能による身体の反応で、刺激過多は入りすぎて湯当たりした時の身体の反応とのことです。
また、施術前後で生理的変化がなかった、もしくは生理的変化が落ち着いた後、症状の悪化が見られた場合は、施術とは関係のないものと考えた方がいいかもしれません。
好転反応と刺激過多の見分け方
好転反応と刺激過多の見分け方は今のところありません。
ただし、生理学的検査や自律神経の反応では見分けることができます。自律神経の反応とは、脈や皮膚の反応などです。
つまり、血液検査などの設備がある施設、もしくは東洋医学などの自律神経の変化を診ることができる専門医でしたら見分けることができます。
施術の時間や量とは関係ないため、ぱっと見では見分けることはできません。
症状の時間的変化
個人差はありますが、自覚できる症状は3~4日と言われています。血液検査をしてみると、1週間ほど変化が続くそうです。
対処法
身体的症状から見ると、好転反応か刺激過多なのか、それら以外なのか、区別がつかないので、何もせずにできるだけ安静にリラックスして過ごし、回復を待ちましょう。
敏感な体質だったり、たくさんワークを行ったときは、刺激過多である場合も心に留めておきましょう。
必要でしたら医療機関を受診することも選択肢に入れておきましょう。
心理的症状
心のバックドラフト
身体と同じように心にも好転反応と見られるものがあります。
心理学では、バックドラフトと呼ばれるものです。バックドラフトとは、火災現場で起こる爆発現象です。密室などで火が酸素を使い切った状態で、窓やドアを開けると一気に酸素が入ってきて爆発する現象を指します。
心にもこれと同じようなことが起こります。
私たちは、心が傷ついて、その痛みを感じ続けていると日常生活をうまく送れません。なので、心の痛みに蓋をして、感じないようにしています。感じないだけで、心の痛みは私たちの中にあり続けます。癒しによってこの蓋を開けると、過去の心の痛みが出てきます。
これが心のバックドラフトです。
バックドラフトの症状
バックドラフトは心や身体の様々な症状として現れます。
感情
怒り、悲しみ、恐怖、恥、不安など
思考
自分に対する批判、他人に対する批判、論理的に理解しようとするなど
身体
落ち着かない、眠くなる、痛み、違和感など
バックドラフトのここは押さえておきたい
バックドラフトは一見悪化したように見えますが、実は癒しが始まったサインです。
例えるなら、真冬に冷たさでかじかんだ手が元に戻る時に、ジンジンと痛むようなものです。
不快感は、凍らせていた感情が溶け始めた証拠です。
癒しの過程で心の痛みが生じることは、ごく自然なことなので、心配しなくても大丈夫です。
対処法
なにより抵抗しないことが肝要です。つまり、不快感を感じないようにジタバタしないということです。
そのときは、まず、「今、自分が安心感を得るには何が必要か?」と自分に問いかけてみましょう。
- バックドラフトが起きていることを理解する。
- 温かいものを飲んだり、自分がホッとできるようなことを自分にしてあげる。
- 家族、友人、セラピスト、医師などのサポートを得る。
など、自分が安心できそうなことを自分にしてあげます。
心と身体はつながっている
好転反応の対処法
さて、身体面と心理面から好転反応について見てきました。
ですが、心と身体はつながっています。心は身体に影響を及ぼし、身体は心に影響を及ぼします。なので、身体的症状と心理的症状を分けて考えることは、実際には難しいです。
施術後に身体的症状の悪化と見られるものが出たら、まずは、好転反応と刺激過多、またはそのどちらでもないものは検査や脈診などを行わないと区別がつけられないことを思い出しましょう。つまり、診断の訓練をしていない私たちには判断できないのです。
また、お水を多めに飲むと症状が和らぐこともあります。
そして、できるだけ何もせずに安静にリラックスして過ごしましょう。
また、心理的症状が見られる場合は、「今、自分が安心感を得るには何が必要か?」と自分に問いかけて、自分が安心できそうなことを自分にしてあげましょう。
場合によっては誰かに頼ることが適切かもしれません。
好転反応の事例
事例①
セッション後に、つらい気持ちが出てきた方がいました。
この方は、これが好転反応であることを理解し、抵抗せずに日々を淡々と過ごしたそうです。
それが2週間ほど続いた後、今度は一転して気分が晴れやかになり、その状態が続いているそうです。
事例②
別の方で、同様に、セッション後につらい気持ちが出てきた方がいました。
その方は、1週間度に再度セッションをしました。
セッション後は一転して気分が晴れやかになり、その状態が続いているそうです。
好転反応の予防
症状の有無にかかわらず、セッション後はいつもより多めにお水を飲んで、なるべくゆったりとリラックスして過ごすことをお勧めします。